東京都の女性活躍条例(2026年7月施行)と、使える支援

人事労務・人的資本経営

前の記事では、全国の企業に共通する国の制度を整理しました。
この記事は、東京都内で事業を行う会社向けに、都の条例、無料の支援、奨励金を整理します。

東京都の条例(2026年7月1日施行)

東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例」は、都内で事業を行うすべての法人・個人が対象です。条文では、次のように整理されています。

  • 努力義務:特定の性別に偏らない組織づくりや、男女間の格差の解消に、主体的に取り組むこと。取組の例として「女性特有の健康課題への配慮」が挙げられています(第五条第1項)。
  • 努力義務:自社の現状を把握し、計画的に取組を進めること(第十一条)。
  • 義務:優越的な関係を背景として、女性の尊厳を傷つける行為をしてはならない(第五条第2項)。

つまり、健康課題への配慮は努力義務です。
一方で、都は指針を策定し、事業者の取組状況を調査して公表するとしています。

条文そのものに「柔軟な働き方」や「継続就業」は書かれていません。
ただ、都が公表した取組事例集(2026年6月)には、「継続就業」「女性特有の健康課題等への対応」などの区分で、中小企業の事例が載っています。
たとえば製造業の事例では、女性従業員への匿名の健康アンケートをもとに、婦人科医・産業医と契約して相談窓口を設けています。

都の無料支援

都は「企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業」として、全16プログラムを無料で提供しています。

  • 企業の人事労務担当者向け:行動計画の策定支援セミナー、フォローアップのコンサルティング、企業向けコンサルティング、管理職向けセミナー
  • 女性従業員向け:リーダー向けのセミナー、社外ロールモデルとの交流、メンタリング・コンサルティング
  • 経営者向け(新規):人材戦略に関するセミナーなど

「企業における女性の健康課題への理解促進」も、プログラムの1つに入っています。
申込の開始時期はプログラムごとに異なるため、公式ページでご確認ください。

都の奨励金(2種類)

女性活躍情報公開促進奨励金職場環境改善奨励金
金額20万円最大180万円
対象常用雇用100人以下常用雇用300人以下
実施期間3か月6か月
主な要件状況把握・課題分析、数値目標を含む行動計画の策定・公表、専門家支援1回、幹部向け研修など女性役員・管理職・係長の増加などの取組、専門家派遣2回、社内研修、情報公表など

申請は電子申請のJグランツで行い、月ごとの回で受け付けます(各回定員100社)。
2026年11月分は11/1〜11/30、2027年3月分は3/1〜3/31が最終回です。
募集要項は変更されることがありますので、申請前に必ず最新版をご確認ください。

余談ですが…下記のように記載がありました。
※事前エントリー時に必要なJグランツアカウント(GビズIDアカウント)の発行には時間がかかるため、余裕をもって準備してください。

制度を使う前に

どの制度も、最初のステップは共通しています。自社の現状を数字で把握することです。
前の記事の4つの確認項目が、そのまま出発点になります。

次の記事では、この現状把握を、個人ではなく「ポジション」の側から行う考え方と、今、検討と準備をしていることについてもご紹介します。