ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介させていただくのは、アメリカに渡り女性研究者として活躍されている松井侑律佳さんです。
【松井侑律佳さんのプロフィール】
日本の高校を卒業後に、アメリカのネブラスカ大学リンカーン校へ入学。
その後ペンシルバニア州立大学の大学院へ進学。
現在は、テネシー州のメンフィスにあるセントジュード小児科研究病院で研究者をされています。
今はどのようなお仕事をされていますか
テネシー州メンフィスにあるセントジュード小児科研究病院で研究者をしております。
私たちの脳がどのように作られていくかを研究しています。
日々の仕事内容は、論文を読んで仮説を立て、それをもとに実験をし、その結果を分析して、自分の仮説が正しかったかを調べます。
新しい発見があれば、それを論文にし、出版します。
また、次世代の科学者育成のため、大学生や大学院生の実験指導もしております。
(おお!このあたりもっとうかがいたいところですね。)
その職場を選んだ経緯を教えていただけますか
高校生のときに、生物と化学の授業がとても好きで、特に実際の研究画像やデータが載っている資料集を眺めているとワクワクしました。
日本で医学の道も考えていましたが、やはりアメリカの大学への憧れもあり、アメリカで医学部か大学院に行くことを目標にネブラスカ大学リンカーン校で生物学を専攻することにしました。
その後、大学で出会った友人や教授たちにアドバイスをいただきながら、いくつかの大学院の博士号コースに応募し、その中でペンシルバニア州立大学に進学することを決めました。
大学院では、ショウジョウバエをモデルに、臓器の大きさはどのようにして一定に保たれているのかについて調べました。
博士号を取得すると、学生の大半は、企業に勤めるか、大学や研究機関で研究室に所属します。
私は後者を選び、特に施設が整い、また「小児がんで苦しむ子供をゼロにする」という大きなミッションを掲げているセントジュード小児科研究病院への勤務を決めました。
実際に働いてみていかがでしょうか
一言で言うと、やっぱり研究が楽しいです。
セントジュード小児科研究病院が持っている研究施設は言うことないほど整っています。
また、一つ一つの研究室が多額の研究費を国や基金・団体から持ってきているので、難しい実験も挑戦することができます。
大学での研究と少し違うところといえばセントジュード小児科研究病院にいると、病院に務めている一人一人の仕事が病院の大きなミッション達成につながっている、というメッセージをところどころ
感じることができることです。
これは臨床ではなく、基礎科学の分野に長くいる私にとって大きな励みになっていると思います。
(なるほど、研究をしながら実際に医療現場で実践されていく様子を目にすることができるのですね。)
近い将来の希望などはございますか
大学の教授職に応募するか、製薬会社で研究者として応募するか、または、しばらくセントジュード小児科研究病院で研究者として勤めるか、考え中です。
色々な人と議論しながら、研究を進めていくことが好きなのでそのような仕事ができるところにいたいなと思います。
(理系、研究が好きな方には具体的なキャリアの参考になりますね!)
大学から海外に行かれて、今のキャリアに活かされているところなど教えていただけますか?
私がアメリカに大学から来て一番感じることは「人との出会いとつながりは本当に大切だ」ということです。
アメリカでは、大学でも仕事のキャリアでも、次のステップに行くときに、教授や上司からの推薦がとても大切になってきます。
そうするとやはり、ただ仕事や授業をこなすだけで自分の殻にこもってしまうと、素晴らしい知識や技術を持っていても、それを証明してくれる人がいないので、とてももったいないと思います。
少しでも、できれば定期的にいろんな方との出会いやつながりを作り、深めていくことは、これからのいろいろな場面で役に立つと思います。
またこれは、ステップアップに限らず、人生のいろんな場面でやはり異国にいると、親に聞いても日本の友人に聞いても分からないことが出てくると思います。
例えば、確定申告やビザ、もっと身近なところで言えば、どこのクレジットカードがお得かとか、子供の習い事選びとかです。
そんな時、それぞれ違う人生のステージにいる友人、知り合いがいることは、とても心強いと思います。
(やはり、人との出会いとつながりが大切なのですね。 膨大な課題に追われる海外大生が多いと思いますが、ここは敢えて意識したいところです。)
ご両親の反応はいかがでしたか
私の両親は、私がアメリカの大学に行くことを全面的に応援してくれました。
ネブラスカ州に行くことに決定したとき、どんな所か全く想像ができず不安でしたが、父がインターネットで写真や情報を見せてくれて、のどかで安全な雰囲気は分かり、安心したのを覚えています。
また、留学斡旋機関を通して留学し、現地に日本人のアドバイザーがいらっしゃったのも、私自身もまた両親にとっても心強かったと思います。
渡米後しばらくは、毎日のようにメールをやりとりしていたと思います。
そうすることで、不安な気持ちを引きずらずに生活ができていたような気がします。
次第に友人ができ、授業も忙しくなってきて、メールの回数は減りましたが、一ヶ月に一回はテレビ電話をしていたような気がします。
(ご両親の全面的な応援は、チャレンジする際の大きな支えですね。渡航した後も、心強いサポートがあると安心して 取り組めると思います。)
聡明で笑顔の素敵な侑律佳さんですが、単身でアメリカへ渡り、努力し続けられて大学・大学院と優秀な成績を修めて研究の道を切り拓いてきたのですね。
「日本の高校生は優秀な方がたくさんいます。理系の分野だとアメリカの高校生よりも進んでいると思うので有利だと感じています。
実際にアメリカでも活躍できる道がいろいろあるのではないでしょうか?」
侑律佳さんからの力強いメッセージ、心に響きますね。
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