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2025年5月に労働安全衛生法が改正されて、これまで「努力義務」とされていた従業員50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が義務付けられることが正式に決定しました。
施行期日は、法公布(2025年5月14日)から最長で2028年5月までの間に政令で定める日とされています。
十分な準備期間が確保されているうちに、早めの対策を始めることが重要になります。
この「50人未満事業場のストレスチェック義務化」を組織を強くするチャンスと捉えてみませんか?
なぜ義務化されるの?
ストレスチェック制度の目的とは何でしょうか?
第1の目的は、従業員が自身のストレス状態に早く気づき、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐこと(一次予防)です。
特に人数の少ない事業場では、たった一人の従業員がメンタルヘルス不調で休職・離職してしまうと、事業継続や組織運営に深刻な影響を及ぼしかねません。
早期発見・早期対応の体制づくりは、企業規模にかかわらず重要になります。
第2の目的は、検査結果を職場(集団)ごとに分析し、職場環境の改善につなげることです。
これにより、生産性の向上や人材の確保・定着にも貢献し、企業の価値を高めることができます。
中小企業が抱える特有のハードルと解決策
50人未満の事業場には、ストレスチェックを実施する上で特有の課題があります。
・専門家の不在
産業医の選任義務がないため、実施者となる医師や保健師の確保が難しいケースが多いです。
・プライバシーの懸念
少人数ゆえに従業員同士の距離が近く、「正直に答えると結果を会社や同僚に知られてしまうのでは」という不安が生じやすいです。
・リソースの不足
人的・予算的なリソースが限られています。
これらのハードルを超えるための鍵は、外部の専門家の活用と無料の公的支援の活用です。
【外部委託の推奨】
ストレスチェックの実施や、個人結果の取り扱いについては、外部の専門サービスに委託することが強く推奨されています。
個人結果は本人の同意がない限り会社に知らされない仕組みになっており、外部機関に任せることで、従業員が安心して正直に回答できる環境を整えることができます。
【公的支援の活用】
50人未満の事業場は、地域産業保健センター(地産保)無料で受けることができます。
ただし、地産保はストレスチェック自体を実施するわけではないため、実施者は別途手配が必要になります。
今すぐ始める導入準備のステップ
義務化にスムーズに対応し、制度を組織改善の手段とするためには、「先行導入」の考え方が有効です。
1. 基本方針の策定と周知
経営トップが「従業員の健康管理」を経営課題とする基本方針を策定し、「ストレスチェックを受けないことや、結果を理由に不利益な扱いをしない」ことを従業員に明確に伝えます。
2. 実施体制と専門家の確保
実施責任者として実務担当者を決め、ストレスチェックの実施と、高ストレス者への面接指導を行う医師(地産保または外部提携クリニック)の確保を進めます。
3. 集団分析の活用
ストレスチェックは「やって終わり」ではなく、結果を部署や職種などの集団単位で分析し(原則10人未満は不可)、具体的な職場環境改善計画に役立てましょう。
これは努力義務ですが、働きやすい職場づくりと生産性向上につながります。
ストレスチェック制度の導入と継続的な改善活動は、「社員を大切にする企業」というブランド力を向上させ、優秀な人材の採用や定着に有利に働きます。
義務化を負担ではなく、組織を見直す良い機会として捉え、できることから取り組みを進めていきましょう。
💡3つのヒント
1.実施は「丸投げ」でもOK
専門知識が必要な実施や個人結果の管理は、外部サービスに任せることもできます。
これにより、従業員は結果を会社に知られずに正直に回答でき、信頼感が生まれます。
2. 医師の面接指導は「無料」で専門家を確保できる
地域産業保健センター(地産保)に相談すれば、高ストレス者への医師の面接指導を無料で利用できます。
費用面の不安を解消し、専門家のサポートを得ましょう。
3.コストを「改善投資」に変えるアクションを一つ
集団分析で浮き彫りになった課題に対し、「コミュニケーションを増やす」など、小さな改善策を一つ決めて実行に移しましょう。
行動することで、働く環境は確実に変わります。
厚生労働省による「令和7年度 職場のメンタルヘルスシンポジウム」では、より詳しい内容が話されていました。
概要を記事にしましたので、よろしければご覧ください。
「中小企業におけるメンタルヘルス対策~ストレスチェック義務化への対応~」
中小企業におけるメンタルヘルス対策~ストレスチェック義務化への対応
~パネルディスカッション~
