英語教師歴40年の小河先生に、5回に分けてお話をうかがっています。
①先生の英語学習について
②お子さんのおうち英語
③英語教員歴40年で分かってきたこと
④小学校の授業を見学して
⑤小学生の保護者に向けて英語のアドバイス
お待たせしました。いよいよ⑤の小学生の保護者の方に向けた英語のアドバイスです。
英語はいつ頃から始めたら良いでしょうか
諸説あるのは承知していますが、わたしは、少なくとも音声は生後10か月くらいから可能だと思っています。
英語の音声を普通に流して反応を見る。面白がったらその部分を繰り返すなどできると思います。
実際にお子さんと英語の動画を楽しまれた方の体験談ですと、お子さん自身が意識して見始めるのは2才くらいからだということで、集中できるのは10分くらいからということです。1つの目安になると思います。
お母さんが英語は苦手な場合はどうしたら良いですか
そういう方のお子さんほど英語が伸びる可能性があります。
モデルを借りてくることに対してお母さん自身、抵抗がないからです。
英語の絵本の題名を検索バーに入力すると、たくさんの「読み上げサイト」が見つかります。
再生回数多めのものを、幾つかをためしてみましょう。
効果音、BGM、読み上げている声の質にも相性があります。
気に入ったものを寝かしつけの時に流してみるのはどうでしょうか?
また、思春期になると、どうしても親を超えたくなるようです。
もしも、お母さんが英語を得意と思っていないのならば、そのままの心で、お子さんの英語の上達をどんどんほめてあげたら良いと思います。
ただし、苦手なことに理由があって(人見知り傾向、完璧主義など)そこは親子で似ている場合がありますから、その場合はその傾向を活かした学習法を一緒に考えましょう。
本人がやりたがらないときは無理にさせない方が良いですか
無理にさせない方が良いですね。
水泳やピアノなどの他のお稽古事でもそうだと思うのですが、気が進まない時には子どもなりの理由があったりします。
多くの場合は、もっと上手にできる人たちが羨ましくなり、自分の進歩が遅いことにお母さんはいらだっているのではないか、というような自意識が働いてくる場合が小学校の後半くらいに出てくることがあります。
それは成長の証です。
英語のインプットは、食べ物にも似ていると思います。
嫌がるのに無理強いしたら抵抗感が強まりますね。
英語の動画を見せていればできるようになりますか
見せているだけでは限界があると思います。
受動的に楽しめてしまう面白いコンテンツは世の中にあふれていますから。
良い習慣にするには、動画の内容について保護者の方も共有して話題にできるのがよいと思います。
これは、パリからロンドンに向かう列車の中で実際に見た光景ですが、フランス人の子どもたちがこれから英語の幼稚園にミニ留学をするので、ご両親は「予習」のために英語の旧い映画を見せていました。
メリーポピンズとマイフェアレディ。そのうちに子供たちは飽きてきて、フランス語のコンテンツに戻りました。
しばらくしたら、今度はクイズ形式で英語の単語を復習できるアプリを開いてあげて、しばらくそで遊んでいました。
自然体が素敵でした。隣の席にも丸聞こえの音量。フランスのパパママが「おうち英語」?といろいろな意味で忘れられない光景です。
家でどのような工夫ができますか
言葉の発達は心と脳の発達にリンクしています。
なによりも心の安定が大事です。
第二言語習得というタームを目にすることもあります。
定義としては毎日英語を使う環境の中で必然的に起きるのが言語習得です。
生まれながらの本能と結びついているので強力です。
脳への刺激の一つとして英語に触れてみて、勝手に覚えるのを見て一緒に喜んでいればいい。
ただし、自然にぐんぐん吸収する時期はそんなに長くはないとも思っています。
外国語として意識的に主体的に学ぶのが言語学習です。
だいたい小学校の3年生、9才くらいから可能になると思います。
その時期は面白いから学ぶので、無味乾燥にならないように気を付けましょう。
挑戦が好きなのもこの時期です。やりたい!という気持ちを大切にしましょう。
そのあたりの工夫を12/12に発売した拙著「気がつくと子供の英語力が伸びでいる『おうち英語』」で7章63項目にわたってご紹介しています。
よろしければページを開いてみてくださいね。
