50人未満の事業場でのストレスチェック、より具体的なポイントが公表されました

社労士の視点

ブログをご覧いただきありがとうございます。
令和7年5月の法改正により、これまで努力義務だった「50人未満の事業場」でのストレスチェック実施が義務化されることになりました。

「難しそう」「手間が増えるだけでは?」と不安を感じるかもしれませんが、2月に厚生労働省から掲載された新しいマニュアルでは、中小企業の皆様が効果的に取り組める具体的な手順が整理されています。

個人的に、この制度を単なる「義務」としてしまうのはもったいないと思っています。
「社員が辞めない、いきいきと働ける職場づくり」のツールとして活用するためのポイントを分かりやすく解説します。

以前より具体的に詳しくなったポイント

今回の義務化に合わせて作成されたマニュアルでは、特に中小企業が直面しやすい「プライバシーの壁」や「費用の壁」を乗り越えるための具体的な方法が示されています。

  • 外部委託による「プライバシー保護」の徹底
    少人数の職場では「誰がどんな回答をしたかバレるのでは?」という不安が壁になりがちです。
    そのため、新しいマニュアルでは、検査の実施から結果の保存までを外部の健診機関などに委託することを強く推奨しています。
    これにより、経営者や人事担当者が個人の回答内容を直接目にすることなく、安心して受検してもらえる体制が作りやすくなりました。
  • 「地産保(地域産業保健センター)」の無料支援
    高ストレスと判定された社員への「医師の面接指導」をどこに頼めばいいか、という悩みがありますよね。
    これに対し、全国に設置された「地産保」で無料の産業保健サービスが受けられることが明確に示されました。
    中小企業にとって、コストを抑えつつ専門家のサポートを受けられる強力な味方です。

職場改善に向けて検査結果をどう活用できるか

ストレスチェックの本当の価値は、点数化するだけではありません。
「職場のどこに問題があるか」を可視化し、改善につなげること(集団分析)にあります。

努力義務ですが、集団分析の結果を活用することで、以下のような具体的な職場改善が可能です。

  • 物理的な環境を変える
    「職場環境によるストレス」が高い場合、暑さ、騒音、照明などが原因かもしれません。
    実際に、分析結果を受けてスポットクーラーを設置したり、工場をLED化して明るくしたことで、社員の満足度が向上した事例があります。
  • 仕事の進め方や体制を見直す
    「上司のサポート」が不足しているという結果が出た職場では、上司が忙しすぎて相談に乗れていない可能性があります。
    そこで、サブリーダーを配置して相談しやすい体制を作ったり、情報共有用のホワイトボードを設置したりすることで、コミュニケーションを改善した成功例もあります。
  • 教育や研修のきっかけにする
    若手社員が人間関係に悩んでいる傾向があれば、全社員向けにハラスメント防止研修を実施するなど、的を絞った対策が打てます。

なぜ今、取り組むべきなのか

中小企業にとって、社員一人の休職や離職は大きな損失です。
メンタル不調による病休期間は平均約3か月に及び、復職後の再発率も高いのが現実です。

ストレスチェックに取り組むことは、こうした経営リスクを未然に防ぐだけでなく、「働きやすい職場」であることをアピールできることにもつながります。
優秀な人材の確保や定着、さらには生産性の向上という大きなメリットをもたらします。

💡始めるための3つのヒント

  • まずは「外部委託」を検討しましょう
    健診機関などに任せることで、個人情報を守りつつ担当者の事務負担をぐっと減らせます。
  • 「地産保」という無料の相談窓口をメモしておきましょう
    専門医による面接指導やアドバイスを、国の支援により無料で受けることができます。
  • 「職場を良くするアンケート」として前向きに伝えましょう
    不調者を探すのではなく、みんなが気持ちよく働くための工夫を見つける場だと説明すると安心してもらえますね。

    🏢働き方・認定制度など一緒に考えたい方は、お気軽にお問い合わせください