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「ウェルビーイング(Well-being)経営」
たまに耳にするけれど、「大きな会社の話でしょ?」「具体的に何をすればいいの?」と感じている中小企業の経営者様や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
パーソル総合研究所が発表した「はたらく人のウェルビーイング実態調査2025」は、まさにそんな私たちの疑問に答え、明日からできるヒントを与えてくれます。
この調査結果を、私たち等身大の目線で読み解き、「働く幸せ」をどう会社の力に変えるか。
一緒に考えてみたいと思います。
幸せは遠のいている?調査が示す厳しい現実
まず、ショックなデータがあります。
「ウェルビーイング」という言葉の認知度は2年間で約2倍に高まりました。
ところが、実際に仕事を通じて「幸せを感じている」人の割合は、実は微減しています。
逆に「不幸感」を抱えている人は増えており、働く人の主観的な幸福感は「やや悪化傾向」にあることが示されました。
これは何を意味するのでしょうか?
世の中の関心は高まっているのに、私たちの実感は追いついていないということです。
特に人材確保が緊急の課題である中小企業にとって、この「幸せの実感の低下」は、優秀な人材の離職リスクに直結する恐れがあります。
中小企業こそチャンス!「役割認識」という希望
では、どのようにすればよいのか?実は、中小企業がすぐに活かせる方法もあります。
調査では、働く幸せを構成する7つの要因を分析しています。
1.自己成長
2.リフレッシュ
3.チームワーク
4.役割認識
5.他者承認
6.他者貢献
7.自己裁量
その結果、多くの要因が低下傾向にある中で、一つだけスコアが維持されている項目がありました。
どの項目だと思われますか?
それは、4番目に挙げられている「役割認識」です。
これは、「自分の仕事が社会やチームに役立っているという認識」のことを言うそうです。
大企業と比べ、中小企業では社長と社員の距離が近く、自分の仕事が誰の役に立っているのか、
より実感できるという強みがあります。
この「役割認識」を意識的に高めることが、幸福感の土台を支える強力な武器になるのではないでしょうか。
働くことへのポジティブなイメージを育む
この調査結果が示すのは、「ウェルビーイングは個人の努力やメンタルケアだけでは成り立たない」ということです。
「リフレッシュが足りない」「成長を感じられない」といった因子が軒並み低下しています。
これは、忙しすぎる仕事や成長機会の不足という組織側の問題が根っこにあるからです。
経営者や人事が、ウェルビーイングを「経営戦略」として組み込む。
「この仕事は何のためにあるのか(役割認識)」
「この仕事を通じてどう成長できるのか(自己成長)」を明確に伝える。
そして、安心して休息できる環境を設計することで、働く人の幸せを維持することができるのではないでしょうか。
親が幸せそうに働く姿は、子どもの「働くことへのポジティブなイメージ」を育むという調査結果も出ています。
(この部分は、ワーママとしての思い入れもあり、別にじっくり書いてみたい項目です。)
私たちの会社で働く人が幸せになることが、未来の労働力として、地域や社会の活力を育む。
ウェルビーイングは、大企業のためではなく、「人を大切にする」すべての企業のための経営戦略につながるものではないかと思うのです。
明日から始める3つのヒント
パーソル総合研究所の調査結果を拝見して、中小企業の経営者・人事担当者が取り組めそうなヒントを考えてみました。
1.「何のために」を言語化
ミーティングや部署会議の冒頭で、「この仕事(プロジェクト)は、お客様のどんな課題を解決できるか。社会にどんな良い影響を与えるか」を共有する(→役割認識因子の強化)。
2.「ノー残業デー」から「リフレッシュ推奨デー」へ
単に早く帰るだけでなく、その時間を自己学習や家族との時間に充てることをオススメする。
会社もそれを承認する文化を作る(→リフレッシュ因子の強化)。
ただし、押しつけにならないように。あくまで自然に。(干渉されたくないという方もいますしね)
3.1on1のテーマに成長実感をプラス
例えば面談の中で、「仕事を通じて新しく学んだことは何ですか?」という質問を入れる。
評価ではなく、小さな変化や成長を認め合う時間にすることで、自律的な成長を促す。
(→自己成長因子の強化)

